ギタリストのビリー・ストリングスとモリー・タトルの会話

タトルとストリングスは、ストリングスの2017年リリース『Turmoil & Tinfoil』で初めて一緒にレコーディングした。

最新リリースを振り返り、ブルーグラスの天才であり友人である二人が、音楽の伝統、ステージの恐怖、機材などについて語り合います。

どのような音楽シーンでも、才能ある同時代の人々が互いに出会い、迅速かつ調和のとれた友愛関係を形成するのは当然のことです。 したがって、ナッシュビルを拠点とするブルーグラスの名手、ビリー・ストリングスとモリー・タトルが、2017年に（二人ともまだ24歳だった）早くも親しい友人および協力者となり、今ではある程度常識になっているように、かつてのルームメイトだったのも不思議ではない。 タトルはストリングスのフルレングスのリリース『Turmoil & Tinfoil』で初めてフィーチャーされ、数年後、ストリングスはタトルのグラミー賞を受賞した2022年のアルバム『Crooked Tree』の「Dooley's Farm」にゲスト参加し、その間に頻繁に一緒に演奏した。

この二人には共通点がたくさんあるので、二人をまとめてお互いにインタビューするのは素晴らしいアイデアだと思いました。 「ビリーと私、二人とも父親と一緒に遊んで育ちました」とタトルは会話の冒頭で語った。 タトルは 13 歳で父親のジャック・タトルとともに『The Old Apple Tree』をリリースし、レコーディング アーティストとして初めてプロとして活動しました。 2019年のソロ・デビュー作『When You're Ready』以来、タトルは温かくピリッとしたカントリー・トーンと、ブルーグラスへのオリジナルで冒険的なアプローチの両方を通じて進化し、Crooked Treeではこのジャンルの伝統的な家庭的な雰囲気に回帰している。 新しいアルバム、『City of Gold』は 7 月 21 日発売予定で、ここ数年にわたる彼女の絶え間ないツアーにインスピレーションを受けて、バンドのライブ ショーの電気的なエネルギーを捉えた 13 曲の新しいトラックが提供されます。

最近では、ストリングスは父親のテリー・バーバーと一緒にレコーディングする必要性を突然感じ、2022年11月に『Me/And/Dad』をリリースし、その中で2人は14曲のクラシックなブルーグラス曲を演奏した。 タトルが以下で好意的にコメントしているように、ストリングスには独特のドク・ワトソン風のアタックがあり、そのシーンでのバックグラウンドのおかげで、デスメタルのエッジによって味付けされたもの（頻繁にスペクトルコードと陰惨な雰囲気で聞かれる）が加わっている。 彼は最新シングル「California Sober」をウィリー・ネルソンとレコーディングしており、このオーストラリア人ギタリストの新しいシングル「Doc's Guitar/Black Mountain Rag」ではトミー・エマニュエルとのデュエットで聴くことができる。

ストリングスはミシガン州、タトルはサンフランシスコのベイエリアで育ちましたが、彼らの育成の多くは並行して行われました。 二人のミュージシャンは十代の頃にターニングポイントの瞬間を経験し、そこで仲間が彼らのブルーグラスの才能を受け入れてくれるだけでなく、彼らを称賛してくれることに気づいた。 ストリングスの場合、それはホームパーティーで「ブラック・マウンテン・ラグ」の演奏で「流行に敏感な」友人たちを興奮させたときの出来事であり、タトルの場合、マムフォード＆サンズの人気が高まっていた頃、クラスメートが彼女のバンジョーの才能に気づき、そして彼女は「バンジョーガール」になりました。

現在、ディスコグラフィーの奥深くまで浸っているこの 30 歳の天才たちは、ツアーの日程前 (およびツアーの最中) に一時休憩を取り、現代アメリカーナ ミュージックで共有してきた多くの経験について再び語り合い、話し合いました。 以下の会話は、その世界への視点を提供するとともに、なぜ二人がミュージシャンとしても人間としてもとてもうまくやっていくのかについてのユニークな洞察を提供します。

モリー・タトル：ビリー、あなたはお父さんと一緒に素晴らしい新記録を作りましたね。 父親と一緒に音楽を演奏して育ったとき、自分がやっていたブルーグラスの側面と、仲間と一緒に演奏したり、仲間と一緒に聴いたりしていた他の音楽との間に断絶があると感じたことはありますか?

ビリー・ストリングス：そうですね、私が中学生の頃だったと記憶しています。私はスケートボーダーで、ビデオゲームをしたり、友達と遊んだりしていました。 私は父の古い友人たちとブルーグラスを演奏するのがあまりにもクールになりすぎていました。 「おいおい、ただここに座ってガンスモークか何かについて話しているだけじゃなく、共通の興味を持つ人々と音楽を演奏したいんだ」って感じだった。

しかし、私はメタルバンドに参加し、それを自分のシステムから取り除き、最終的には一周して戻ってきて、ブルーグラスこそが私が初めて学び、少年時代にスプーンで食べさせられたものであることに気づきました、そしてそれは本当に私の心が本当にどこにあるのか。 ブルーグラスは私を笑わせたり泣かせたり、心から感じさせてくれる音楽なので、エレキギターは埃をかぶるようになりました。

タトル:私はそのことに本当に共鳴します。なぜなら、私は音楽的に自分が何者であるかを理解しようとして非常に多くの段階を経てきたからであり、ブルーグラスを自分の一部として受け入れるまでにはさらに時間がかかりました。 そしてそれこそが私を私たらしめているのです。 しかし、ブルーグラスを通して自分自身のストーリーを伝えるにはどうすればよいでしょうか? スペクトルの両端があるからです。 「私は単なるブルーグラスミュージシャンではなく、他のすべての音楽も演奏します」と、逆の道に行ったような気がします。 そして、ブルーグラスを演奏して、このジャンルに忠実なものを作りたいとも感じました。 私にとって、それは曲作りのようなものでした。たとえば、この音楽を通して自分のストーリーをどのように伝え、それがどのようにして私の人生の大きな部分を占めるようになったのかを示すにはどうすればよいでしょうか？

2人のブルーグラスの名手はどちらも、1人はカリフォルニア（タトル）、もう1人はミシガン（ストリングス）の父親から演奏方法を学んで育った。

写真提供者: アリッセ・ガフクジェン

文字列:お父さんと遊んだ一番古い思い出は何ですか? 子供の頃、「これが私がやっていることだ、私はギタリストだ」と思った大きな瞬間はありますか？

タトル:子供の頃、私は父とよく遊び、私が育ったベイエリアの周りでさまざまな地元の番組を観て遊んだことを覚えています。 私にとって大きな瞬間は、12歳か13歳くらいのとき、サンフランシスコのハードリー・ストリクトリー・ブルーグラスに行き、アール・スクラッグスやヘイゼル・ディケンズに会ったことだった。 私と父はどういうわけかバックステージパスをなんとかしてこのアフターパーティーに行くことになり、ヘイゼルもそこにいました。 とてもかっこよかったです。 ジリアン・ウェルチとデイブ・ローリングスがいました。 彼は私のギターヒーローのようなものでした。 荷物を置くために楽屋に入ったとき、彼がただギターを持ってそこに座っているのを見て、衝撃を受けたのを覚えています。 そういう人たちを間近で見ただけで、「おお、自分にもこれができるんだ、この世界が自分の居場所のように感じられる。ずっとこれをやっている自分が見えた」と思った。 できるだけ音楽を演奏したいだけだと気づきました。

あなたにとってミシガン州の音楽シーンはどのようなものでしたか? あなたにとって本当に重要なフェスティバルや何かはありましたか？

文字列:そうですね、お祭りにはあまり行かなかったです。 少なくとも、私が若くて成長し、初めて遊び方を学んだ頃は、私と父、叔父のブラッド・ラスコ、そして数人の友達が小川のほとりで座って採りをしているのと同じでした。 しかし、それから何年も経って…。 他の人がステージにいるのを見て、「彼らは一体どうやってそんなことをするんだろう？どうやってそこに立ってただ演奏したり歌ったりするんだろう？」って思うんだ。 私もそうしていますが、他の人のようにはやっていないと思います。 私はテキサスのこのフェスティバル（サウス・バイ・サウスウェスト）に参加していましたが、他の出演者を見て緊張していました！ 私は彼らに対して緊張していて、「なんてことだ、彼女はただそこにいて歌を歌い、心をむき出しにしているんだ！それは恐ろしい！」という感じでした。

タトル:（笑）

ストリングの最新シングル「カリフォルニア・ソーバー」では、彼は比類のないウィリー・ネルソンと共演しています。

写真提供者: アリッセ・ガフクジェン

文字列:それは確かに奇妙なことです。 どうすればステージに立って、自分たちがやるべきことを何でもできるのか、まだ理解できません。

タトル:舞台恐怖症になったことはありますか？ 私にとってそれは行ったり来たりです。 考えすぎると…時々、自分の曲の単語を一言も覚えていなかったらどうしよう、と思うことがあります。 （笑）

文字列:私は自分のキャリアのせいでいつも不安な状態にあります（笑）。 このすべてのプレッシャーがあります。 でも、外に出るとたいてい元気になります。 そこに至るのです。 今でも。 2、3週間家にいて、明後日からツアーに戻るのですが、やり方を覚えていないのが怖いです。 セットリストの作り方を覚えているかどうかはわかりません。 覚えているかどうかもわからないし、まだショーができるかどうかも分からない。 でも、一旦そこに戻ったら、ただリングに身を投げるだけで、それはある種、雄牛か何かに乗る彼らのようなものです。 ストラップを締めるような感じで、「クソ、さあ、行くぞー 8 秒、ちょっと待って！」みたいな感じです。

タトル: （笑） これがこの 3 つ目のことだと思います。潜在意識が引き継いで、その方法を思い出すようなものです。 しかし、事前に考え始めれば…。 私たちは冬休みに少し休みを取ったのですが、私も同じような気持ちになりました。「ああ、以前はどうやってやっていたんだろう？」 私たちがやっているのは、本当に極端なことなんです。あちこちを旅して、たくさんの人の前で演奏するんです。

文字列:でもクソ、他に何をするつもりなんだ？ 力仕事？

PG:モリー、Crooked Tree が約 1 年前にリリースされたことは知っています。 以前のレコーディングでは音楽的な実験を試みていたとおっしゃっていましたが、今回はより伝統的なものでした。 そうですか？

タトル:そうですね、私は自分が育ったブルーグラスサウンドに戻ったような気がします。 私の最初のフルレコード『When You're Ready』はちょうどナッシュビルに着いたところだった。 ジャンル的にどのカテゴリーに当てはまるかわからない曲をたくさん書いていました。 そのレコードを作るのはとても楽しかったです。 本当に違うスタイルを試してみる必要がありました。 しかし、パンデミックによるロックダウンで何かが起こったと思います。 私は幼い頃から聴いてきた音楽がとても懐かしくなり、家族に会いたくなりました。 ブルーグラスのコミュニティー的な側面が恋しかったです。 私はこの種の音楽が大好きです。 それはある意味、世代から世代へと受け継がれていく民族音楽です。 それは人々を一つに結び付けるとても有機的な音楽スタイルです。

それで、私は楽しみのためにブルーグラスの曲を書き始めました。 「ラジオをつけると、最近ブルーグラスがなくなっているように感じるのは、オリジナルに聞こえる曲だ」と思っていました。 それで、ブルーグラスバンドで歌える曲を書きたかったのですが、同時に自分の視点やストーリーも伝えたかったのです。 一度始めると止めるのが難しく、「これで曲のフルアルバムができたので、この夏にはスタジオに入ってレコードを出してみたほうがいいかもしれない」と気づきました。

タトルは 13 歳からプロとして演奏していますが、学校でブルーグラスを演奏したのは 10 代後半になってからでした。

写真提供者: アリッセ・ガフクジェン

文字列:そしてあなたはそれでグラミー賞を受賞しました。 そして、私はとても幸せでした。なぜなら、彼女はこれに値するものだと思ったからです。 もちろん、これはいつも話題になりますが、私たちはかつて同じ家に住んでいて、ルームメイトでした。 そして、私はいつもモリーが練習しているのを聞いていて、「くそ、クソ、最低だ！」と思っていました。 （笑）

タトル: （笑）あなたの演奏を聴いているとそう感じます、なぜなら私たちはとても違うスタイルを持っていると思うからです。 「ビリーがやっているようなことは私には絶対にできない」と思っています。 ギターのアタックの仕方はドク・ワトソンのようですが、メタルの影響もありますね。 あなたの演奏にはただただ畏敬の念を抱きます。

文字列:ただごまかしているだけです。 ずっとずっと、ずっと羽ばたいているんだ。 でも、まだ同じピック使ってるの？ あの小さな黒いものは？ それらは何ですか？

タトル:ダンロップのジャズトーンピックです。 切り替えたほうがいいような気がします。 派手なピックではないので、時々他のピックを試してみると、みんなが「すごくいい音だね」って言うんです。 （笑い）私はそれらにとても慣れています。 10歳の頃から同じピックを使っています。 かなり重いピックだ。

文字列:そう、それがあなたの心地よいサウンドなのです。 とにかく私にとって、それがすべてであり、それがプレイを快適にすることであることに気づきました。 あなたや（ブライアン）サットンのような他の人のプレイを見ていると、ある意味ほとんど楽にプレイしているように見えます。 緊張感もないし、血管も浮き出てない（笑）。 私は緊張していますが、プレーを見ている人の中には素晴らしいテクニックがある人もいます。

タトル:私もそれを持っています。 プレーを見ている人からは緊張していないように見えることもありますが、心の中では緊張しているのです。 そのとき、自分の演奏がうまく伝わっていないように感じます。 しかし、それはほとんど瞑想的であり、自分を解放して自分自身を遊ばせる必要があると思います。

ストリングスとタトルがナッシュビルで一緒に住んでいたとき、お互いが練習しているのを聞いて怖気づいた。

写真提供者: アリッセ・ガフクジェン

文字列:どのような種類の弦を使用していますか？

タトル:ダダリオのミディアムゲージ【リン青銅】を使用しています。 私は手が酸性なのでコーティングされたものを使っています。

文字列:私もです！ 私も同じもの使ってます！ D'Addario .013–.056 ミディアム ゲージのリン青銅に感謝します。 ミディアムゲージを持っていないといけないし、コーティングしなければいけない、だって私たちは狂ったように汗をかくから。 そして壊れません！ ステージで主に弾いているギターは何ですか？ あなたの代わりにやってくれるのはどっちですか？

タトル:今はPrewar Guitar Companyを使っています。 ブラジリアンローズウッドのD-28スタイルです。 アクションとセットアップはツアー中でもきれいなままだと感じますし、そのトーンが大好きです。 それが私の今のお気に入りです。あなたはどうですか？

文字列:今でもずっと使っている[プレストン]トンプソン。 ブラジリアン、スプルーストップのドレッドノート。 数年間弾いていて、それがステージで弾くギターです。 地獄を経験しました。 壊されてしまい、また元に戻しました。 でも、プラグインしたときのサウンドは常に最高です。私は K&K ピックアップを使用し、それを [Grace Design BiX] を通して実行します。 あと、ピックアップを付けたばかりの 45 年製 Martin も持っています。ステージで演奏できる古いものが欲しかったのです。 でも、そのたびに私はオールド・フェイスフルに戻ってしまいます。 私がそのギターを最初に「フランケンシュタイン」と呼び始めたのは、ギターにさまざまなピックアップとスイッチをすべて搭載し、内側に耳に届くマイクが取り付けられているからです。 で、もう一つ同じものを作ってもらったんですが、それが「The Bride」です。

これはギターオタクの話ではありませんが、「Away from the Mire」という曲があります。 兄と喧嘩したときに書きました。 そしてある夜、ステージでそれを歌っているときに、その曲は自分のために書いたものだと気づきました。 それを聞く必要があったのは私でした。 そんな曲ありますか？

タトル:絶対に。 私が録音したことを覚えている最初のセラピーソングは、最初のEPに録音した「Good Enough」だったと思います。 それは自分自身を受け入れることです。 当時私は不安と闘っていて、キャリアを始めたばかりで、何がどうなるのか分からずに苦しんでいたと思います。 私は今この瞬間にとどまるように努めていました。 そして、それは今でも私が書いているテーマであるような気がします。 それは私にとって人生を通じてさまざまな意味を持ちます。

文字列:そうですね、仕事を続けてください。それは素晴らしいことであり、私たち全員が必要としているからです。 私たちの使命は、人々の毎日に少しの喜びをもたらすことだけだと思います。 そして時には、私たちが曲に注ぎ込んだ私たちの聞こえる日記を受け入れて、彼らが私たちにそれを返してくれることもあります。 私たちは自分たちの仕事をすることができて幸運です、そして私はあなたとあなたのバンドがそこで全力を尽くしているのを見て興奮しています。 それは本当に素晴らしいです。

タトル:同じく！ 私はあなたがこの音楽を大衆に届け、その音楽がどこから来たのか、あなたのヒーローたち、そしてなぜそれがあなたにとってそれほど重要なのかについて人々を本当に教育している方法が大好きです。

ストリングスの「ビリー・イン・ザ・ローグラウンド」のこのライブ・パフォーマンスで見られる、ビリー・ストリングスとモリー・タトルの荒々しい細断エネルギーを理解するのに訓練された目は必要ありません。